☆7分でわかる!扶養範囲の条件について。

扶養家族の条件について

ご家庭において世帯主が主たる納税者で家族が扶養になっていて、扶養家族がパートやアルバイトで収入がある場合に気になるのが扶養の条件です。しかも、扶養の条件は社会保険上と所得税法で違いがあるために多く人が混乱する原因になっていますので、今回は扶養について整理してみます。まず、所得税上の扶養の範囲について説明しますが、その前に、多くの方が迷う所得税法の用語に『収入』と『所得』があります。その違いについて説明します。毎月給料を受け取る会社員の場合、源泉徴収前の給与や賞与の支給総額(年収)が税法上の『収入』にあたります。『所得』は給与所得とよばれ、収入金額から会社員の必要経費とみなされる「給与所得控除額」を差し引いた金額となります。

最初に所得税法における扶養の条件から説明します。

所得税法の扶養の条件とは、税金が安くいなるための条件と言えます。

所得税法では、扶養家族に対する控除は扶養親族に対する控除(扶養控除)と配偶者に対する控除(配偶者控除)の二つがあります。

1.扶養親族とは?

・その年の12月31日現在の年齢が16才以上の配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)であること

・納税者と同一生計であること

・合計所得金額が48万円以下(収入が給与のみの場合は年収103万円以下)であること

納税者に上記の扶養親族がいると、所得控除(扶養控除)を受けることができます。

2.配偶者控除・配偶者特別控除の対象者とは?

配偶者はどうなるのでしょう。扶養家族として働く場合、パート収入等を抑えて働く人が多くいます。それが就労意欲を抑制する原因となっているという指摘があり、所得税法が改正され、現在は、合計所得金額が48万円以下、収入が給与のみの場合は103万円以下で配偶者控除がてきおうされます。合計所得金額が48万円超~133万円以下(年収103万円超~201.6万円未満)なら配偶者特別控除が受けられます。配偶者控除、配偶者特別控除ともに納税者本人の合計所得金額が1000万円を超えると適応されません。

では、社会保険(健康保険と年金保険)における扶養の条件はどうなっているのでしょうか。〔健康保険については、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)を前提に解説します。健康保険組合に加入している場合は、加入組合に確認をお願いします。〕

社会保険上の扶養の条件は「年収130万円未満」となっています。

まず、健康保険における扶養の条件から説明します。

1.誰が被扶養者になれるのか?(同居の有無で判断します)

(1)被保険者と別居でもよい人 ⇒ 配偶者、子、孫および兄弟弟妹父母、祖父母などの直系尊属

(2)被保険者と同居が条件の人 ⇒ 上記(1)以外の3親等内の親族(兄姉、伯叔父母、甥姪とその配偶者など)、内縁関係の配偶者の父母および子(その配偶者の死後、引き続き同居をする場合も含みます)

※全国健康保険協会ホームページ(被扶養者とは)から抜粋

2.被扶養者になる条件とは

被保険者によって主として生計を維持されていること、および年間収入が130万円未満であることです。また60歳以上または障害厚生年金の要件に該当する程度の障害がある人の場合は、年間収入は180万円未満となります。

さらに同居・別居で条件が異なります。なお同居とは、「同一世帯」にある場合のことです。

(1)同居の場合

・収入が被保険者の年間収入の半分未満

なお収入が半分以上であっても、被保険者の年間収入を上回らないときは、その世帯の状況を勘案して、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは被扶養者となることがあります。

(2)別居の場合

・収入が被保険者からの送金額(仕送り額)未満

3.被扶養者の年間収入の考え方

被扶養者の収入には様々なものがありますが、給与収入以外のものも収入に含まれることがありますから注意が必要です。意外と間違えて理解している方も多いようです。主なものを挙げておきます。これ以外でも実質的に収入と認められるものは収入となります。

・給与収入(賞与、交通費等を含む総収入)

・事業所得(自営業の場合、必要経費を差し引いた額)

・雇用保険の失業等給付、公的年金

・健康保険の傷病手当金や出産手当金

年間収入は130万円未満が条件ですから÷12で、給与収入の場合は月額10万8,333円以下。雇用保険の失業等給付の受給者の場合は、年間を360日で換算しますので、日額3,611円以下であることが条件になります。

4.チェックポイント

(1)年間収入130万円は「今後」の年間見込み収入額

 今後の収入見込みが130万円未満であれば扶養に入れます。

被扶養者に該当する時点及び認定された以降「今後」の年間の見込み収入額のことです。たとえば会社を退職した配偶者(妻)を扶養にする場合、今現在無職であれば扶養に入れますし、過去1年の年収が130万円を超えていても大丈夫です。過去の収入は関係ないのです。

(2)雇用保険の失業給付金の受給者を扶養にする場合は要注意!

前項で解説した「日額3,611円以下」であることが条件です。実務上はこの額以上の失業給付金を受ける場合が多いようですから注意が必要です。たとえば上記配偶者(妻)が失業給付金を受給中は、この額以下であることを確認の上手続きをしてください。

なお失業給付金(雇用保険の基本手当)は、自己都合で退職した場合は受給まで原則最長3ヶ月の給付制限期間があります。この間は当該給付金をまだ受給していませんから扶養になることができます。この給付制限期間が終わり実際の給付が始まった時に、今度は扶養から外れることになります。短期間のうちに被扶養者の異動(加入・脱退)手続きが生じることもあるので要注意です。

国民年金保険上の扶養とは?

基本的に、健康保険と厚生年金はセットで加入しますから、上記の健康保険の収入基準と同じです。健康保険は上記のように被扶養者になれる範囲が広いですが、国民年金では、第2号被保険者(厚生年金の加入者)に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者(第3号被保険者)のことを言います。健康保険とセット加入なので同一書式で届出ができるようになっています。厚生年金で言う扶養とは、「配偶者」に限られるのです。

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