iDeCoと相続
現在150万人以上が加入しているiDeCoですが、今回は加入者が亡くなり相続が発生した時に、積み立てたお金はどうなるかについて解説します。
iDeCoの特徴として、他の金融商品であれば希望したタイミングですぐに現金化することが出来ますが、iDeCoは老後の資金作りを目的としたものなので、60歳になるまで受給ができません。しかも最低10年以上の加入期間が必要ですので、加入した年齢によっては60歳になっても受け取れないこともあります。例えば55歳時に加入すると65歳以降の受け取りとなります。
始めるのが早ければ早いほど運用の利益も見込めますし、60歳から受け取れるのでスタートは早いに越したことはありません。しかし、加入者が60歳前に亡くなってしまった場合にはどうなるのでしょうか?受取年齢である60歳よりも前に死亡した場合、加入者の死亡後5年以内に遺族が申請をすることで、それまで積み立てたお金は「死亡一時金」となり、積立口座の実績に基づいて加入者の遺族にお金が支払われます。
死亡一時金を受け取れる遺族は配偶者、子ども、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹など、死亡した人の収入で生計を維持していた人で、受け取れる権利を持つ順位が法律によって定められています。加入者があらかじめ死亡一時金の受取人を金融機関(運営管理機関)に指定しておくこともできます。
請求は加入者の状況によっても違いますが、基本的には金融機関(運営管理機関)へ「加入者死亡届」を提出。また死亡した加入者の年金資産を管理する、記録関連運営機関に対して「死亡一時金裁定請求書」を提出するといった手順を踏みます。
さらに死亡一時金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象となり、非課税限度額は500万円×法定相続人の数となります。iDeCoは運用益や節税、非課税対象になるなど多くのメリットがある制度です。若い方は老後なんてかなり先の話しなので興味を持たれない方もいますが、老後対策で一番大切なことは期間の長さです。期間が長いほど有利になります。
また、60歳になるまでに亡くなる可能性もあるからと避ける方もいますが、万が一亡くなった場合でも遺族が受け取れるので心配はいりません。若いうちから老後対策を始めてマイナスなことはありません。この記事を目にした方で、まだ老後対策をしていない方は早速、検討してみてはどうでしょうか?